【トップインタビュー】グループ入り4年、Misocaと弥生が一つになる。未来に向かってどう変わるのか、話を聞いてみた!

3persons はたらく仲間

弥生株式会社(以下、弥生)は、2020年7月1日をもって、グループ会社でクラウド見積・納品・請求管理サービス「Misoca(以下 「Misoca」)」を展開する株式会社Misoca(以下 Misoca)を吸収合併しました 。本合併は、弥生を吸収合併存続会社、Misocaを吸収合併消滅会社とし、弥生がMisocaの権利義務の全部を承継します。なお、Misocaの各種サービスについては、これまでと変わりなくご利用いただけます。

今回は、2016年の弥生グループ入りから今日に至るまでを元Misocaの経営陣と共に振り返り、合併の真意、そして、これからひとつになって走り出す会社としての決意を、インタビュー形式にてお伝えします。インタビュアーは、「Misoca」ユーザーでもあるライター 片山氏。取材は6月下旬にオンラインで実施しました。

インタビューイーの紹介

  • 弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎(写真 上段右)
    2008年4月、弥生株式会社の代表取締役社長に就任。2020年4月~6月は株式会社Misocaの代表も兼務した
  • 元 株式会社Misoca 取締役 星正典(写真 上段左)
    弥生株式会社にて「弥生販売」のプロダクトマネージャーを経て株式会社Misocaに参画。弥生とMisocaの橋渡し役を務めた
  • 元 株式会社Misoca 執行役員 奥村健太(写真 下段)
    株式会社Misocaに2014年入社。Misocaと弥生とのM&Aを、Misocaの担当者として実行した

2016年、Misocaの弥生グループ入りから、今日までを振り返って

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– まずは、2014年からMisocaにジョインし、スタートアップ時代から会社のことを知る、奥村さんにお話を伺いたいと思います。

奥村健太(以下、奥村):はい。Misocaのスタートアップ時から弥生へのグループ入り、創業者の退任と、会社の酸いも甘いも知る立場として、今日は腹を割ってお話しするつもりで、この場にきているので何でも聞いてください。

岡本浩一郎(以下、岡本):奥村さん、最初から飛ばし過ぎないでね(苦笑)。

– (笑)まずは、奥村さんがジョインされた2014年ごろのMisocaについて教えてください。

奥村:私は、フルタイムの正社員第一号としてMisocaにジョインしています。会社としては、一回目の資金調達を終え、業務委託のメンバー含め10名弱の組織となっているフェーズでの参画でした。当時は私以外のメンバーすべてがエンジニアでしたので、コードを書く以外の業務のほぼすべてを一通り担当していました。

Misocaの第一印象は、“エンジニアファーストな会社”でした。理系の研究室っぽい雰囲気っていうんですかね。社内は常にエンジニア同士の会話が飛び交っているような環境でした。創業者である豊吉さんは、人間=コードが書けるものと認識(?)していて、面接で「入社したらコードを書いてくださいね」と言われたり、GitHub※のアカウントを持っていないことを驚かれたり(笑)、というようなエピソードもありました。
※ソフトウェア開発のプラットフォーム

–  エンジニア集団から始まったスタートアップらしいエピソードですね(笑)そこから2016年のグループ入り、今回の合併を振り返り、まずは率直な感想をお聞きしたいです。

奥村:今回に至るまでの過程が、百点満点!とまでは言い切れないですが、やるだけのことをやって今回を迎えることが出来たというのが、まずは率直な感想です。
やはり歩んできた歴史も文化も違う会社が一つになることは、簡単なことではなく、そこの難しさは当然ありました。そういった過程で起こる必然的な摩擦も一通り経験した上で今回を迎え、まさに「機は熟した」というタイミングだと感じています。星さんは、どう感じていますか?

星正典(以下、星):そうですね。「楽な道のりではなかった」という点は同感です。これが違う組織で別プロダクトをやっているなら話しは違ったかもしれないですが、事業シナジーのある両社である以上、違う組織同士が干渉しながら進める過程で生じる問題には、一通り直面してきたのかな、と思います。

–  この4年は、本当にお互いが一つになる上での成長痛的な側面もあったのかもしれないですね!このパートの最後に、創業期からMisocaを見てきた奥村さんから、新体制にかける想いを教えてください。

奥村:仰る通り、この4年間はこれから本当のシナジーを生むための成長痛だったのかもしれません。私自身「弥生のポテンシャルは、まだまだある」と確信した上で、今回の合併を迎えました。これから旧Misocaメンバーは、より本格的に弥生メンバーと連携して密にやっていくわけですが、両社の良い部分を取り合って、お互いの成長に結びつけられたらと思います。そして、私もそのために貢献できることをこれからもやっていきます!

吸収合併に至った経緯と狙い

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- 合併の経緯などについても伺っていきたいのですが、そもそも今回の合併については、いつ頃から議論があったのでしょう?

:可能性自体は、Misocaが弥生グループに参画したタイミングからゼロではありませんでした。ただ、さまざまな想いや、最初から2社を統合することによるシナジーは無いと判断し、少し時間をおいていました。

岡本:モノゴトをシンプルにするなら、当然一つの組織でやった方がいい、というのは前提としてありましたが、スタートアップと歴史のある会社 が一緒になるメリット・デメリットを比較する中で、当時は別会社としてスタートし、ゆるやかに連携を深めていく形式を取りました。そこから4年が経過し、一つになるメリットの方が多いと感じて、具体的な議論に移ったのが今年の1月頃。そして、3月には内部で決定をしたという経緯です。

- 最初から可能性としてあったものの、議論を始めてから今日に至るまでのスピードはとても早かったのですね!

:なので、(今回に至る)直前まで奥村さんと一緒にバタバタしているという状況でもあります(笑)。

- 一同:(笑)
- 改めて、今回の合併を決断された狙いについても教えてください。

:開発の目線では、情報連携や開発体制も含めた「開発速度の向上」を図り、将来の価値提供の最大化に備えていくという狙いがあります。手前味噌ながら、「Misoca」は“請求書をつくる”という観点においては断トツに使いやすいサービスに成長したと感じています。ただ、これからは請求書を作成するだけではなく、お客さまのニーズに沿って、その後の入金管理やそれに付随する領域にまでサービスの提供価値を広げていかなければなりません。そうなった時、Misocaが弥生に、弥生がMisocaに、今以上に寄り添い、連携していく必要性が高まってきます。そのことが背景としてもあります。

岡本:補足をすると、弥生自体はプライバシーマークを取得していることもあり、保有する情報の取り扱いについては、グループ会社といえども、かなり制約のある中で進めていかざるを得ませんでした。当然それは開発にも影響していた話なので、その点が改善されてくるだけでも、だいぶん変わってくると思っています。

- なるほど。そのほか、組織全体の狙いとして考えていることがあれば教えてください。

岡本:組織全体の狙いとしては、大きく2点あります。1つ目は、働き方の多様化への対応。そして2つ目は、2023年10月から始まるインボイス制度への対応です。

まず、1つ目の「働き方の多様化への対応」ですが、以前から弥生は、同じくエンジニアを多数抱える会社として、Misocaの働き方や環境を羨ましいとも考えていました。一方の会社は、9:00-17:30までのオフィス出社型の働き方が定着し、例え台風の日でも下手をすれば頑張ってオフィスに出社しようとしてしまう日本的な働き方の文化・慣習が根付いた組織と、もう一方は、少し強い雨の日は、個人の裁量で在宅に切り替える判断をする組織。

どちらにも良し悪しはあれど、マクロ的な視点でみれば、今後は後者のような「働き方に自由度を持たせる」ことは高まっていくと考えられます。採用の観点や従業員のやりがい・働きやすさを確保するという意味でも働き方を変えていくことは必須です。これまでは、一国二制度の形式を取り、少しずつ進めていましたが、今回の合併を機に、働き方の多様化に対応していきます。

そして、2つ目は2023年10月に施行される「インボイス制度への対応」が大きく関わっています。インボイス制度は、簡単に言うと請求書に特定の様式が義務化され、それが最終的な消費税の申告にもつながってくるという内容ですが、これにより請求書が税法的にも大きな重みを持つようになります。加えて、請求書をただ紙で発行するだけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって、前後の工程を圧倒的に効率化するという流れも必ず生まれるでしょう。これらが避けては通れないことを考えれば、今以上にスピードを上げた開発体制と連携を図り対応していく必要があります。

- なるほど。このパートの最後に、橋渡し役として両社を見てきた星さんから、新体制にかける想いを教えてください。

:組織が歩んできた歴史や文化の違いはありますが、弥生メンバーも旧Misocaメンバーも「ユーザーに良いものを提供したい」という想いは一緒です。同じ目的を持つ仲間として、より一層、連携した取り組みへつなげていきたいと思っています!

「Misoca」のこれから / 合併後について

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- 今回の合併により、「Misoca(サービス)」自体に何か変更はあるのでしょうか?

岡本:ありません。今回の合併により、サービスの仕様やそのほか何かが変わるといったことはありません。ご安心ください。

- 私自身も「Misoca」ユーザーではありますが、既に「Misoca」を利用しているユーザーとして、これからどんなことを期待すればよいでしょうか?

岡本:これまでと変わらず機能の改善を繰り返し、これからもサービスは常に進化していきます。先ほども言いましたが、2023年10月に施行される「インボイスの義務化」に向けて、今から準備を進めています。今回の合併に伴う大きな狙いは、従来2つのチームで別々に動いていたものを1つにまとめる、より多くの成果を生むことですので、全社一丸となってこの変化に対応していきます。見積から請求、入金の消込まで、お客さまの日常業務の圧倒的な効率化を実現したいと思っていますので、これからの「Misoca」に期待をしていただけたらと思います。

- 業務の効率化にまでサービスが関与してくれることは、ユーザーにとっても嬉しい進化ですね!岡本代表からも、新体制にかける想いを教えてください。

岡本:まず組織の観点からは、弥生とMisocaが一緒になって、組織の新しい働き方を築き上げていくことが非常に大事だと考えています。一方で、今回の合併によって組織面で起こる変化は必ずしもお客さまから直接的に見えるわけではありません。お客さまには、これから提供していくアウトプットにご期待をいただきたいと思っています。

- 最後に、これまで、そしてこれからも「Misoca」を使っていただくお客さまに向けたコメントを一言ずつお願いします!

奥村:Misocaがスタートアップ時代から持っている「ユーザーの声をすぐにプロダクトに反映する」強みは変わらず、それを今度は弥生という組織の中でも実践していきます。お客さまとは、今後もサービスを通じたコミュニケーションを図っていきたいと思っていますので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

:請求書を作成することに関しては、さらに作りやすいサービスへ。そして、今後は請求書作成以外の業務にもサービスが進化していきますので、これからの「Misoca」を楽しみにしていてください!

岡本:いよいよ機が熟して実現したこの合併によって、新しい弥生として出来ることは大きく広がりました。これからの「Misoca」、そして弥生にご期待ください。

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(取材 / 文章 片山昇平 :写真 下段右)